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12日 2018年 01月

脳の健康にも効く、歩くことの効能

毎日1 万歩は歩きましょう、といった呼び掛けをさまざまなところで目にすることができます。
1万歩というと結構な歩数なので意識して歩かないとなかなか難しい数字ではありますが、
これは何も1 万歩でなければならないというわけではありません。
それに近い歩数を目指しましょうという意味です。
この歩くという動作は人間の極めて基本的なもので、歩くことができなくなるだけで
人間は心身の健康に大きな影響をきたします。
この歩く機能を失わないためにも日常的に歩くことで足腰の機能を維持しましょうというわけですが、
実はこの歩く動作は脳の健康にもとても良いことが分かっています。
脳と足とでは体の中で最も離れた部分ですが、これはなぜでしょうか。
私たち人間は歩くことに対して特に意識することはありません。
前に進もうと思ったら自然に足が出て、無意識のうちにバランスを取りながら前に進むことができます。
しかし、この動作において脳はとても大きな役割を担っています。
バランスを崩さないように足を交互に出して前に進むという動作は、
二足歩行ロボットの開発時にも注目されたように、実はとても難しいことなのです。
無意識のうちに脳はその動作がスムーズにできるように活躍してくれているわけです。
しかも歩く動作を維持するために脳はさまざまな情報を認知しています。
足元に障害物がないか、上り坂なのか下り坂なのか、周辺に危険はないか・・・といった具合です。
これ以外にも脳は数え切れないほどたくさんの物事を認知しながら歩行動作をコントロールしています。
つまり、歩くということはこの認知機能をフル回転させることでもあるので、認知機能の維持に役立つのです。
しかも足を動かすための神経細胞も頭にあるので、足を動かすことで血液が頭の中を活発に流れるようになります。
このことも脳を活性化するので、日常的に歩くことが脳の健康増進に大きく寄与してくれるのです。
もっともお金の掛からない運動でもあるので、まずは1 日8,000 歩くらいを目標に
歩く習慣を身につけてみてはいかがでしょうか。

05日 2018年 01月

あのパズルゲームが、認知症予防グッズで再ブレイク

ルービックキューブというパズルゲームが、かつて大流行したことを覚えておられますでしょうか?
6 面体のそれぞれに色がついていて、それぞれの面は9 分割されている、あのオモチャです。
その9 分割された面を動かして6 面全部の色を揃えたらゴールというものです。
かつて大流行した時にはすべての面を揃えるまでの時間を競ったり、
天才少年が登場したりと、今では不思議なほどの流行りようでした。
そのブームから数十年が経ち、もう誰もが忘れていたと思われていた昨今、再び注目を集めています。
かつてのブームは子供向けのオモチャでしたが、今では認知症予防グッズとしてです。
ルービックキューブに限らず、立体的なものを手で触って動かすという動作は脳の働きを活性化させます。
見るだけでなく指先からも情報が入ってくるので、さまざまな認知機能を使うからです。
あれこれ触って1 面だけ色を揃えたりしているだけでも効果的だそうですが、
人間は何か達成感が必要な生き物なので、やはり6 面すべてを揃えたいと思うものです。
しかし、実際にやってみると分かりますが、慣れていない人が適当に触っていても
6 面すべてを揃えるのは至難の業です。
どれだけやっても6 面が揃わないと思うと、飽きてしまってやめてしまう可能性もあります。
それだと意味がないので、そんな時におすすめしたいのが、9 分割ではなく4 分割版のルービックキューブです。
2×2 なのでかなり揃えやすく、初心者向きです。
ここからさらに難易度を上げていきたいと思ったら3×3 の9 分割版にするのもありでしょう。
これから高齢になる方の多くは、かつてのルービックキューブブームをご存知だと思います。
その分だけ親しみもあると思いますので、懐かしさを楽しみつつ再び手にとってみてはいかがでしょうか?

21日 2017年 12月

病気の治療は体だけではない、アピアランスケアの世界

私たち医師や医療機関の使命は、患者さんの病気を治して健康を取り戻すお手伝いをすることです。

医療技術や設備、薬などはそのためにあります。

しかし、患者さんの病気に対する有効な治療ができても、

心の問題まで克服するとなると私たちだけの力では及ばない部分があります。

その中のひとつが、患者さんの外見に関する問題です。

病気やケガによって本来の外見から変わってしまったことでそれがコンプレックスになることは多々あります。

特にがん患者の方々は抗がん剤の影響によって毛髪が抜け落ちてしまったり、

体型が変わってしまったり、体のむくみなどといった外見の悩みを抱えている人が実に多くおられます。

特に女性は外見のコンプレックスが心に大きな傷を負わせてしまうことが多いので、

それをケアする考え方としてアピアランスケアという医療が注目されています。

アピアランスとは外見、見た目という意味で、

患者さんの見た目をケアすることで精神的なコンプレックスや負担を和らげようという取り組みです。

先日、神戸市内の病院でアピアランスケアが実践された催しがありました。

この病院では外見を美しく見せるための下着やウィッグ、化粧品、ネイル用品などが一堂に会して、

イベントを企画した看護師さんたちが患者さんの外見を美しくするという趣向でした。

このイベントを企画した人の話では、「命が助かったんだから、

と外見の問題を諦める人が多いのを何とかしたかった」とのことです。

この考え方は実に素晴らしいことで、患者さんのQOL向上に大きく資するでしょう。

病は気からという言葉があるように、外見を美しくすることで生きる力も湧いてきます。

生きる力が湧いてくるということは不思議なもので、

病気に直接作用するような免疫力も高まってくるものです。

こうした取り組みは今後さらに広がっていくと思われますが、

医療がサービス業であるという原点に立ち返ると当たり前のことなのかも知れません。

11日 2017年 12月

認知症の患者さんに処方される薬の種類

認知症は脳の病気なので実際に何か変化が見えるわけではないので、

得体の知れない病気というイメージを持つ方が多くおられます。

そのため、「薬を飲めば良くなる」という考えを持っている患者さんや、そのご家族も少なくありません。

しかし、ここでひとつ認識を確かめておきたいのは、「認知症を完治させる薬は存在しない」ということです。

この薬を飲めば効き目に個人差はあっても、いずれ認知症が治るというものがあれば

どんなに良いかと思うのは現場の意見ですが、まだまだ認知症に根本的に効く薬は開発されていません。

それでは、医療の現場ではどんな薬を使っているのかといいますと、それには大きく分けて2つの種類があります。

1つは認知症の原因そのものに作用する薬、もう1つは認知症が引き起こす症状を抑える薬です。

承認されている薬として、アルツハイマー型認知症には現在4つの種類があります。

いずれも脳に作用する薬で、脳の中での情報伝達を助けたり、

認知症を進行させる物質の働きを阻害するものなどがあります。

原因疾患に作用する薬なので、認知症の進行を遅らせたり食い止めたりする効果が期待できます。

もう1つの各種症状に対する薬は、うつ病やてんかんを抑えたり不眠を解消するための薬など、

認知症によって起きている症状を抑えることで症状の悪化を防ぐ目的があります。

まだまだ薬物治療で根本的な治療ができる段階にはありませんが、

それだけに予防が大切であるのは言うまでもなく、認知症リスクを高めない食生活や生活習慣が最大の「薬」です。

02日 2017年 12月

大病を克服した人の社会貢献

人は大病をすると価値観が変わると言います。

一度は失ったかも知れない命なので人のために使いたいと思う人が

多くなるのは自然なことかも知れませんが、そんな話が先日、神戸でありました。

「大阪で生まれた女」という大ヒット曲で知られるミュージシャンのBOROさんは

大ヒット曲のタイトル通り大阪の出身で、現在は神戸市在住です。

このBOROさんは上顎洞という病気で5回も大手術を受けた経験を持ち、さらにはC型肝炎の治療も経験しています。

そんなBOROさんは常々「自分は医療の力で救われた」と語っており、

確かにC型肝炎では新薬による治療が功を奏し、上顎洞は早期発見による治療で命を取り留め、

見事健康を取り戻したのでした。

その経験から、BOROさんはiPS細胞の研究を応援するために募金活動を行っています。

この募金活動には、先端医療や最新の医療で救える命がひとつでも多くなるように、という願いが込められています。

有名人がこうした活動をすることのメリットは、その活動の存在を多くの人が知ることができる点にあります。

BOROさんの活動も兵庫県内を中心に確実に広がりを見せており、

iPS細胞研究を支援しているNPO法人の活動も徐々に知られることとなってきました。

BOROさん自身は自分が大病をした経験から何か貢献をしたかったと語っており、

それが実際の形になって嬉しいとも語っています。

命を落としてもおかしくなかった大病を医療の力で克服したBOROさんですが、

この命が助かったのは、まだやるべきことがあったからと考えることもできますね。

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