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03日 2019年 06月

「ラジエーションハウス」のストーリー進行に思うこと

放射線医として注目をしてきたテレビドラマ「ラジエーションハウス」は、

その後どんな感じでストーリー展開していくのかを注視しながら見させてもらっています。

第2話で印象的だったのは、「リ・フラウメニ症候群」が

ドラマの中で取り上げられたこと。

がん領域の最大トピックであるゲノム医療につながるものですが、

まだ一般ではあまり知られていない知識だと思います。

これをいち早く取り上げたことには、まるでアメリカの医療ドラマのように、

社会に最新の医療知識を広めるという役割を意識しているのかなと感じました。

これと同様に、第3話ではマンモグラフィーについて深く掘り下げた描写がありました。

マンモグラフィーについてはすでに広く知られている検査ですが、

その強みや弱点についても医療的観点からきちんと説明されていました。

1回あたり1時間のドラマでありながら、

段階を追った検査過程についてもしっかり説明されているところにも好感を覚えました。

マンモグラフィーのように名前だけは良く知られている検査については、

名前やちょっとした知識だけが独り歩きしてしまい、

本質的な部分の理解が進まないと感じることが多いので、

このようにメジャーなテレビドラマがそこを深く掘り下げることには意義があると思います。

検査という医療分野にスポットを当てているこの「ラジエーションハウス」は、

画像診断を担う技師の存在もクローズアップされています。

新人の医師がこうした熟練の画像診断技術を持つ技師に

助けられることが多いのは、今も昔も変わってはいません。

まさに縁の下の力持ちという存在であり、

この技師という存在が私たち医師と一緒に仕事をすることが医療機関の実力につながるわけですが、

この「ラジエーションハウス」を見た一般の方にも、

そのことに気づいてもらえるのではないでしょうか。

正確な検査や状況の把握は、適切な医療を提供するために欠かせないきわめて重要なプロセスです。

そのために当院では医師と技師が緊密に連携することによって、

高い画像診断技術を発揮しています。

「ラジエーションハウス」に描かれているような構図が機能しているからこそ、

当院の検査に信頼を寄せていただける方がおられるのだと思います。

もちろんこれかも検査技術の研鑽に努め、

検査結果と今後の展望についてを丁寧にご説明をすることで受診者様の

健康という利益を守るお手伝いをしていきちという思いを新たにしました。

20日 2019年 05月

月9ドラマ「ラジエーションハウス」放映を受けて

ご存知の方も多いと思いますが、フジテレビ系の月曜夜9時のドラマ、

通称月9と呼ばれる時間枠で「ラジエーションハウス」という

医療系ドラマが放映されています。

医療系の漫画が原作でそれがドラマ化されたわけですが、

注目の集まりやすい月9枠ということもあって、

各方面からさまざまな反響が起きています。

医療関係者の中には「事実との乖離がある」として

否定的に見る向きもあるようですが、

この「ラジエーションハウス」で取り上げられている放射線科医でもある私は、

比較的肯定的にこのドラマを捉えています。その理由を、お話ししたいと思います。

この「ラジエーションハウス」の主人公は、私たちと同業者である放射線科医です。

今まであまりドラマや映画などで取り上げられることがなく、

そんな専門家がドラマの中において画像診断で活躍するというのは、

「検査とは何か」というところにスポットが当たることになるので、

面白い試みだと感じました。

一口に検査といってもそこには高い技術と専門性があり、

そこから診断に至るまでのプロセスや放射線科医が担っている役割や

責任の大きさが広く知られることになるというのは、

医療への正しい理解に資すると思います。

画像診断には私たち放射線科医だけでなく、放射線技師という大きな存在があります。

この技師の方々が持つ技術や画像へのこだわりは、一種の職人仕事です。

正常を正常と捉え、その一方で異常を異常と

診断するための画像を撮るための努力は相当なものです。

私たちはそれを日常的に目にしてきたわけですが、

そこにもスポットが当たっているのはポジティブなことではないでしょうか。

まだ今後のドラマの展開について分からない部分もありますが、

画像診断という世界や画像に全身全霊をかたむける技師といった医療従事者の

モチベーションを高めるという意味でも期待できるドラマだと思っています。

おそらく今後の展開においてもこうした流れが続き、

同僚の技師たちが画像診断に意欲的に取り組む姿が

描かれているのではないかと思うと、今後の展開にも期待しています。

20日 2018年 10月

激しい寝言は危険信号?

寝ているときに寝言を言ったり、寝ぼけるなどといったことは誰でもあると思います。

寝言などは傍から聞いていて面白いこともありますが、

そうはいっていられない危険なものもあります。

バラエティー番組では、睡眠中の寝相の悪さや寝ぼけ、寝言がひどいなどといって、

その現場を定点カメラで撮影し、見た人達がそれを笑うといった内容を見かけます。

しかし、脳神経外科医の目線から見ると、

中には笑ってはいられないケースも見受けられます。

大きな声で怒鳴り散らしたり、まるで話しているかのように

長い文章をはっきりとしゃべる寝言や、殴る蹴るなどといった暴力、

起き上がって歩いたり走ったり等といった寝ぼけ方をしていたら、

それはレム睡眠行動障害という重大な睡眠障害である可能性があります。

この睡眠障害を患うと、夢で見ている内容と連動して体が動いてしまいます。

もし悪い夢を見ていて何かに襲われていたり追い払おうとしている場合、

家族やその他そばにいる人が殴る蹴るなどで怪我をさせられたり、

近くにある家具に手足や体をぶつけて本人が負傷してしまうことがあります。

睡眠障害であることを知らない場合、その人と別の部屋で寝たり

寝室の環境を整えればいいと思うかもしれませんが、この状態を放置していると、

認知症やパーキンソン病に発展してしまうリスクがあります。

アメリカのミネソタ大学の調査によると、

レム睡眠行動障害と診断された患者さんの4割弱が、

その症状が出てから約12~17年後にパーキンソン病になったという報告がなされています。

パーキンソン病とは、手足が震えたりバランスが取りにくくなるなどの運動障害のことです。

今の医学では、レム睡眠行動障害についてはっきりとした原因はわかっていませんし、

治療したからといってパーキンソン病や認知症を

完全に予防できるかは分からない部分も多いのが実情です。

しかし、何もしなければ病状は進行しますし、

本人やその家族が負傷する可能性を考えれば、

生活習慣の指導や投薬治療で症状を改善する方が望ましいと考えています。

何よりも、認知症の危険信号に気づくには周囲が気付いてあげられるかどうかが大事です。

寝言や寝ぼけている時の行動等は些細なことのように思えるかもしれませんが、

その些細なことにこそ重要なサインが隠れています。

こうした事実を踏まえて、周囲の方々は小さな変化であっても気づいてあげてほしいと思います。

そうすれば、初期の認知症なら治療で改善できる余地が生まれるのですから。

09日 2018年 10月

神戸市の認知症被害給付金制度をご存じですか?

世界的にみても日本は超高齢化社会への道を突き進んでおり、

高齢者人口は年々増加傾向にあります。

それに伴って認知症患者も増加しており、そういった方々が

事故にあわれるという悲しいニュースを目にすることも増えたように思います。

認知症の方が、ご家族が目を離した隙に外出し、

列車などの公共機関と事故を起こしてしまうことにより、

損害賠償請求されてしまうケースがあります。

これは故意にしたことではないですし、

家族を失ってしまった遺族に損害賠償を背負わせるのは酷なことだと思います。

そんな中で神戸市が、認知症の方が起こした事故に対して

損害賠償を求められた場合に、個人賠償責任保険で最大2億円、

市民が被害に合った場合最大3000万円の給付金支給による、

救済制度の概要案を発表しました。個人賠償責任保険とは、

請求された損害賠償を代わりに保障してくれたり、

万一裁判となったときには訴訟などの費用も保証してくれる制度です。

この給付金制度による賠償責任保険は、認知症と診断された後に

事前登録をした方なら入ることができ、保険料は神戸市が負担してくれます。

また、給付金は特に事前登録をしなくても、加害者の方が市外の人であったり、

賠償責任がなくても給付されます。

事故被害に合われたご家族にとってとても心強いものになるであろうこの制度は、

来春の運用開始を目指して検討されているようです。

新しい制度の運用にはそのための体制づくりや運用費はどうするかなど、

多くの人の協力や様々な準備が必要ですが、

滞りなく制度が開始されることを願うばかりです。

今までは認知症関連のトラブルがあっても、

ご家族やその関係者の方のみで対応するなど、

一市民レベルでなんとかするという状況でした。

しかし、高齢者が増加するに連れ、不慮の事故やその他、

一市民では対応しきれないケースが増えています。

今回の給付金支給の動きは、神戸市が以上のことを行政として

無視できないことであると認識した現れであり、

社会が認知症と向き合う準備を始めていることを感じています。

他の自治体でも同様の動きが進むと見られていますので、

私たちも医療を預かる者として注視していきたいと思います。

24日 2018年 09月

MRIの注意点が意外な問題に発展

北村クリニックにもMRIの検査設備があります。

ご存知の方も多いと思いますが、

MRIは強い磁力によって脳の中などを検査するものです。

この磁力は一般の方が想像しているようなレベルではなく、

刺青をしている人はその刺青の染料に含まれている

金属成分が引っ張られてしまうほど強力です。

MRIがある部屋にカメラを持って入った人が、

その強い磁力によってカメラの中に保存されている

社員データが消えてしまったということもありました。

この「磁力」について、ある有名な大学教授が

「磁気によって凝りをほぐす」という製品に対して

インチキだと指摘したのです。

この教授が指摘しているのは、

「磁気で血流が良くなるなどということはない。

だから磁気で凝りがほぐれるというのは根拠がない」という主旨です。

さらにこの教授は「もしそれが本当ならMRIの検査で

全身の血液が引っ張られて死亡事故になる」とも続けています。

この指摘は、MRI検査を行っている私の立場から見ても面白いと思います。

MRI検査ではわずかな金属質のものであっても持ち込み禁止なので、

検査機器に入る方はMRIからの磁力による影響を全く受けません。

つまり、血流が磁力によって促進されることもありません。

ゆえに、磁力によって血流が影響を受けて凝りが

ほぐれるというのは、確かに根拠がないかも知れません。

この教授の言うように、微弱な磁力で血流が良くなるのであれば、

MRI検査機器に入った人は全身の血液が沸騰するほどの影響を受けるでしょう。

これまであまりにも当たり前だと思われていたことが、

こうした指摘によって「考えてみればそうだ」となるというのは、

まだまだこの世の中にはたくさんあるのでしょう。

何事も常識だからと思い込んでしまうことなく、

常に理由や根拠を求めるのが医療人として大切なことだと改めて思った騒動でした。

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