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10日 2017年 08月

ITで認知症介護を支援する仕組みが続々登場

ITの進化により、続々と認知症介護を支援するアプリやシステムが登場しています。

こうした文明の利器は利用しない手はないので、特に秀逸なものをご紹介したいと思います。

認知症の症状に徘徊がありますが、本人にその意識がないだけに重大な事態になるリスクも高く、

徘徊していることをいかに早く察知し、その本人がどこにいるのかを知ることが課題です。

そんな時に活躍しそうなのが、iSEEDという会社が開発した「パルモどっち君」というアプリです。

この製品は「パルモどっち君」というアプリと小型のGPS端末がセットになっていて、

この超小型GPS端末を認知症の人の衣服などに装着しておいて、

後はそのGPS端末からの位置情報で徘徊を検知できる仕組みです。

秀逸なのは加速度センサーがついているので、徘徊が始まったことをいち早く検知できることです。

そして位置情報を取得して付属のアプリで確認することができるので、

徘徊による影響を最小限に食い止めることができます。

次にご紹介するのは、先ほどのアプリよりも広範囲に及ぶサービスです。

携帯キャリアのソフトバンクが提供している「オレンジセーフティネット」というもので、

認知症の人が人知れず行方不明になってしまう事態を防ぐために運用されています。

今や認知症患者の数はうなぎ登りに増えていて、

なんと年間1万5,000人もの人が認知症の症状と思われる原因で行方不明になっています。

ソフトバンクが提供する「オレンジセーフティネット」では捜索依頼情報が全国レベルで共有されているので、

遠距離に及ぶ徘徊で行方不明になってしまっている人の早期発見にも威力を発揮しそうです。

これからもITの進化によって私たちの生活はどんどん便利で安全なものになっていくと思われますが、

特にこの認知症や医療、介護の分野でこうした技術が発達してきていることは認知症のご本人にとっても、

ご家族にとっても喜ばしいことだと思います。

02日 2017年 08月

あるものはどんどん活用しましょう!兵庫県の認知症相談センターご紹介

高齢化が進行するのと同時に、認知症患者数が増加の一途をたどっていることを受けて、

行政もさまざまな方法で相談窓口の設置や介護支援などを模索しています。

北村クリニックのある兵庫県にも独自の相談センターが開設されているので、

せっかくあるものならどんどん活用しましょうということで、詳細をご紹介したいと思います。

兵庫県が本格的に取り組んでいる相談窓口なので、窓口は兵庫県内の至る所にあります。

神戸市内には「こうべ認知症生活相談センター」をはじめ、

各地の「あんしんすこやかセンター」に相談窓口が設置されています。

詳しい所在地の一覧は兵庫県のホームページで公開されているので、そちらをご覧ください。

・認知症相談センター一覧
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf05/documents/2904nintisyousoudannsenntaitiran.pdf

こうした相談窓口では、とても初歩的な相談から積極的に受け付けていることが注目に値します。

例えば、認知症ではないかと思われるご家族がいる場合、

かかりつけ医がいなければ(いたとしても認知症に詳しくない)、どこで受診すれば良いのか分かりません。

もちろん当ブログをご覧になっている方であれば、北村クリニックにお越しいただくのが最も早道だとは思いますが、

神戸市内から近いところにお住いの方ばかりとは限りません。

もうひとつ注目したいのは、認知症特有のお悩みとして「本人が医療機関に行きたがらない」というものがあります。

だからと言って手をこまねいている間にも症状は進行してしまうので、

早期に相談窓口に話を持ち掛けてみることをオススメします。

認知症は本人よりも、そのご家族に負担が大きな病気です。

一人で悩むとマイナス思考になりがちで負担がさらに大きくなってしまうので、

早い時期から行政のサービスでもなんでも、たくさんの人に関与してもらうことが重要です。

せっかくあるものは、どんどん活用しましょう!

21日 2017年 07月

脳を再生させる医療の時代が到来

認知症の原因となるアルツハイマー病をはじめ、脳に病変が起きると重大な症状に発展する可能性が高く、

それゆえに脳ドックなど脳の健康状態を知ることの重要性が指摘されています。

一般にもこうした意識は浸透してきているので、認知症の兆候をチェックしたり

脳ドックを受診するなど何らかの行動に移す人が多くなりました。

こうした傾向は喜ばしいことですが、すべて病気の予防や進行を食い止めるといった「守り」の医療です。

そんな脳の医療に、ここにきて再生医療という「攻め」の医療が注目を集めています。

一度は病気でダメージを受けてしまった脳を再生し、

機能を回復させることを目的としているので、まさに「攻め」です。

実はこうした再生医療の分野では、日本の医療界が世界をリードしています。

ノーベル賞を受賞したiPS細胞も再生医療への道を開く研究成果として世界から注目を集めていますが、

それ以外にもES細胞などの幹細胞を利用することでダメージを受けた部分、

失った部分を再生する医療の研究は日進月歩で進んでいます。

そこから生まれたひとつの成果が、細胞薬です。

あまり聞きなれない言葉ですが、細胞薬は人の細胞から作る薬のことです。

先ほど述べた幹細胞が持つ再生力を使って、脳などダメージを受けているところに投与をすることで細胞レベルから再生していく薬です。

これが実用化されると、脳梗塞で死滅してしまった脳細胞や、

アルツハイマー病で委縮してしまった脳の再生など、これまで治すことができなかった脳の病気を根本的に治療できるようになります。

まさに夢のような医療ですが、その医療が未来の夢ではなくなりつつあります。

すでに網膜細胞や心筋細胞といった分野では日本の研究チームが特許を出願しており、

これが実用化されると目の病気、心臓の病気に絶大な威力を発揮することでしょう。

もちろん予防すること、進行を食い止めるという医療も非常に重要です。

これからはそれに加えて、「元に戻す」という医療が加わることで治せる病気がもっと増えていくことに期待したいと思います。

11日 2017年 07月

人間は脳のごく一部しか使っていない説って本当?

子供の頃から当たり前のように、「人間の脳はごく一部しか使っていない」と、

ことあるごとに聞かされてきた覚えはありませんか?

だからまだまだ頑張ればもっと勉強ができるようになるというロジックで、

「もっと勉強しなさい」と言われた方も多いと思います。

天才と呼ばれている人は、多くの人がごく一部しか使っていない脳のうち

多くを使うことで超人的な能力を発揮する、という「定説」もあります。

これまで当たり前のように言われてきたことなので疑いの余地も少なかったのではないかと思いますが、

これって本当なのでしょうか?

実はこの説は、事実ではありません。

人間の脳はごく一部ではなく、大部分をちゃんと使っています。

ではなぜ、こんな「定説」が流布したのでしょうか。

そこには、アメリカのテレビ局が仕掛けたキャンペーンがあります。

そのキャンペーンによると、「あなたはまだ自分の可能性をごく一部しか使っていない」という

メッセージを発することで、潜在的な能力を発揮する努力をしましょうと訴えたそうです。

これって、冒頭に述べた「もっと勉強しなさい」というロジックと似ています。

つまり、脳はごく一部しか使われていない説というのは、もっと努力させたい人がつくりだしたフィクションだったのです。

ではなぜ、長らく言われ続けてきた「定説」について改めて事実が明るみにでたのでしょうか。

それを可能にしたのが、MRIやPETといった最新の検査機器です。

人間の脳をこうした検査機器で観察すると、大部分がちゃんと使われていることが見て取れます。

こうした検査機器を使うまでもなく、人間の脳はわずかに損傷をしただけでも重大な症状を引き起こします。

大部分を使っていないのであれば、損傷した部分によっては全く影響が出ないはずですが、

どの部分であっても脳の損傷が障害の原因になることを考えると、やはり脳の中で不要な部分は全くないということです。

03日 2017年 07月

VR(仮想現実)で認知症を疑似体験

テクノロジーの進化により、あらゆるものを疑似体験できる世の中になりました。

特に最近ではVR(仮想現実)の進化が著しく、

専用のゴーグルをつけることでまるでその世界に飛び込んだような体験をすることができます。

このVRはゲームなどエンターテイメント分野での利用ばかりが目立っていますが、

実は他の分野でも活用が進んでいます。

その中でも北村クリニックとして注目したいのは、認知症の疑似体験です。

認知症については決定的な治療法が確立されておらず、

しかもそれまでの人格とは別物になってしまったような症状になることもあるため、

「自分は絶対になりたくない」と思う病気の筆頭格です。

だからこそ脳ドックなど予防医療への関心が高まっているというのも、無関係ではありません。

これだけ関心が高い病気でありながら、私たちは認知症になった本人の立場になって

物事を考える機会は意外に少ないのではないでしょうか。

VRによる認知症の疑似体験は、こうした理解不足や、そこから生まれる偏見などを解消するために開発されました。

以前から認知症になったイメージを「体験」できる試みはあったのですが、

近年のVRの進化は目覚ましく、そこから生まれる疑似体験のクオリティは劇的に進歩しています。

VRだからこそ、これまでイメージできなかった認知症についてよりリアルに感じられるようになった、という声も多く聞かれます。
認知症になりたくない、という多くの人が持っている不安や意識については、これからも持っておくべきものです。

それに加えて、認知症になった人への理解はもっと深まるべきだと考えるので、こうした取り組みは意欲的だと思います。

好きで認知症になった人は誰もいないので、そんな人が少しでも暮らしやすい社会を作っていくことも、

私たち医業に携わる者に与えられた使命だと感じます。

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